快適無職ライフ

はたらきたくない

【読書】救いのない話が好きな理由。『トラウマ文学館』

これらの物語が描いているのはまさに"現実"にほかならないからです。

不意打ちで、ひどい現実にいきなり直面するよりは、まずは物語で知っておいたほうがいいのではないかと思うのです。(トラウマ文学館 ご注意事項より)

 

私が鬱系の物語や残虐な事件・事故を好む理由の一つはこれです。

いつ自分が同じ目にあうか分からないから、こういうことも起こり得るんだと心構えしておきたい。

 

今回読んだのは、トラウマになるような12作品の短編が収録されているオムニバス形式の本

その中から気になった作品について書いていきます。

 

 頭木弘樹 編『トラウマ文学館』

  

直野祥子「はじめての家族旅行」、白土三平「野犬」

収録されている12作品中、10作品は短編小説で2作品はマンガ。

このマンガ2作品が、短編ながらどちらもかなり救いのない結末でよかった。

そして、本書の注意事項に「これらの物語が描いているのはまさに"現実"にほかならない」と書かれている理由がよくわかる。

どこまでも救いがないけれど、これが現実だよなあと痛感します。

 

筒井康隆「走る取的」

著者はSF作家として有名ですよね。

SFに苦手意識のある私は、これまでSF作家というだけで嫌厭してまったく読もうとしたことがありませんでした。

こんなにおもしろい作品があるならもっとはやく知りたかった。

"追いかけられる恐怖"を味わえます。

たまに何かに追いかけられる夢を見ますが、あれはなんともいえないほど怖いです。

 

フラナリー・オコナー「田舎の善人」

「精神的にこたえるイヤな話」として注意書きがあったのでワクワクしながら読みました。

そういうものを求めてこの本を読んでいるので大歓迎です。

以前読んだ平山夢明作品を思い出すような話でした。

そちらの方がもっとエグくて酷かったので衝撃は少なかったですが、もしかして平山夢明はこの作品から着想を得たのかな?と思うぐらい似たものを感じました。

もっと最悪な作品を読んでみたい方は『他人事』に収録されている「仔猫と天然ガス」、ぜひ読んでみてください。

  

 

 

本の最後に、著者が「誰も正体をつきとめられなかった幻のトラウマドラマ」として紹介されている作品があるのですが、この本で状況提供を求めたことによって見つかったのでしょうか?

おもしろそうなので、特定できたのであればぜひ見てみたい。

 

そして、あとがきには「元気なときにお読みください」と書いてありましたが(あとがきに書いても大体が手遅れだと思います)、私は絶望しているときにこそ救いがないような作品を読みたくなる。

 

この作品や現実に比べたら自分の現実ってまだ全然マシだな、と思えて元気を貰えるような気がします。